TAVARUAストーリーVOL.12
タバルア カバ・セレモニー

フィージー タバルア島

噂には聞いていた「カバの儀式」。
「飲むとハイになるんだ」「舌がピリピリしてくるよ」「飲むと落ち着いてくるんだ」
すでにカバを飲んだことがある人は、それぞれ感想を教えてくれる。自分はどうなるんだろう?と思いながら、
全てのリゾート宿泊客、スタッフ、ボートマン、酋長DURUKU が正装して待つ、ウッドテラスに向かった。

儀式の場に行くと、自分の座る位置が自然に決まる、この儀式にはいくつかシキタリがある。
見た目が茶色の水のような液体がココナッツの殻で作られた杯にいっぱいに入れられる。

その杯が自分の目の前に差し出されたら、2回手を叩き、「ブラ」と言ってから、その茶色の水を一気に飲み干す。
「少し龍角散のような味がする水」が自分の最初の印象。次に、舌に少しだけ刺激を感じた。

まずくはないが。一杯だけでは特に何も変わらない感じ。せっかくだから、2杯、3杯と飲んでみようと思い、杯が回ってきた人は手を叩き、ブラと言ってカバを飲む。自分も3杯飲んだところで、退いた。
その後、何時間も島のフィジアン達5〜6人が輪になって、カバを回し続けていた。

【カバの儀式の解説】
南太平洋諸島地域で飲まれるカバ(Kava)は、特にフィジーでは色々な儀式で飲まれることで有名。堅苦しい儀式から、だれかがやってきたときのもてなしの儀式にまで、フィジー旅行中、最低1度は口にするはず。しかも、フィジアンの生活により近い旅をすればするほど、カバを飲む機会は増えていく。
カバ(Kava‐英語)(フィジー語でヤンゴーナ yaqona)とは、南太平洋帯に生える胡椒科の木のこと。

カバの儀式では、この木の根を乾燥させ、それを水でぬらし、しぼり出した汁を飲む。
最近では、マーケットや商店でカバの根を石で砕いて粉末にしたものも売られており、簡単な儀式では、これを水に溶かして飲む場合もある。

カバの儀式に必要な道具として、まずはタノアTanoaという木製の大きな器。この器に水をそそぎ、その中でカバの根をぬらし、汁をしぼり出します。

ほとんど茶色い泥水と同じような色をしています。次にココナッツの殻でつくった受け皿(杯)。これにタノアからカバの汁を汲み取り、飲む。

カバの儀式の進め方は、通常ホスト役は3名。ひとりはカバの汁を作る役、もうひとりはココナッツの殻に汁を汲み取り、お客様まで運ぶ役、そして最後のひとりは、お目付け役。

まずお目付け役が儀式の始まりを宣言する祈りをあげる。
カバは、目上の人から順に飲むようになっていて、だれに持っていくかを示すのはお目付け役の仕事になっている。

自分の前にカパが差し出されたら、まず手を2回たたき、(場所によっては1回のところもあります。)“ブラ”といって右手でカバを受けとって、その後、お目付け役の人が1回手をたたくのを待ち、ひと口で汁を飲み干す。飲み終わったら、ココナッツの殻を返し、3回手をたたいて、“ピナカ”と礼を述べる。

このパターンがひとりひとりになされ、しかも2度、3度とまわることがあり、儀式は延々夜遅くまで続くことが多い。最後までいる必要はないが、儀式に参加したら全員が最低1回は杯をあけるまではいること。これが最低限の礼儀となっている。

参考文献
フィジー観光政府公式サイトより
http://www.bulafiji-jp.com/entertainment/kava.html

story by Tokushi Akai


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